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埋伏智歯

親知らず・埋伏歯

現代人の顎は進化の過程で退化して華奢で小さくなってきています。さらに食生活の影響により大昔に比べ柔らかい食べ物を食べることが多いので成長期に後天的な顎の発育が促進されず成長が少なくなる事もあるので、一番後ろの8番目の歯が生えにくいことが多いのです。多くの場合は、斜めにはえてきて7番目の歯にあたり、そのまま歯の一部を露出することになります。この一部露出したところから歯周病菌などの汚れが歯肉の中に入っていくことにより、親知らずの周囲が腫れてくるのです。

もちろん普通にはえていて、普通に噛んでいる親知らずは無理に抜く必要はありません。完全に埋まっている場合も特に抜く必要はないです。斜めに生えている親知らずをそのままにしておくと歯肉から露出している部分が虫歯になったり、親知らずの周囲が腫れたり、隣の歯までむし歯になることが多く、さまざまなトラブルの原因になりがちです。さらに虫歯になった親知らずは神経の治療が困難です。ですから、腫れて痛みが出たり、周囲の骨を溶かしたり、親知らずや隣の歯がむし歯になる前に、ちゃんとはえていない親知らずは抜いてしまったほうが良いでしょう。

智歯周囲炎

親知らずの一部のみがお口の中にはえているときには、歯ブラシが届きにくくちゃんと清掃できないことが多いのでその周囲の歯肉に汚れがたまりやすく、炎症をおこします。これを智歯周囲炎といいます。体調により疲れたり、風邪をひくなどからだの抵抗力が低くなったときに起こりやすいようです。炎症をおこした際には、消毒やお薬によりそのまま治まることもあります。ただし、この炎症を繰り返すようであると場合によっては、親知らずを抜く方がいいということになるかも知れません。

親知らずによる様々な障害とは

  1. 親知らずとその前の歯がむし歯になりやすい:親知らずが十分にはえることができずに前の歯にぶつかって止まっていると、その場所に汚れがたまりやすくなります。その結果、周囲の歯肉の炎症が起こったり、親知らずや前の歯との隙間が虫歯になります。この場合、いずれ抜くことになるような親知らずはまだしも、一生使っていただきたい前の歯は放置できません。早期に親知らずの抜歯を検討した方が良いケースもあります。
  2. 親知らずの周囲の炎症が広範囲に波及する:親知らずの周囲だけでなくその周囲の筋肉に炎症がが波及するとのどが痛くなったり、口の開け閉めが困難になります。これは、口の開け閉めをする筋肉に炎症が波及するためで、親知らず周囲の炎症が消退すると共に回復します。
  3. 前歯の並びがずれてくる:どの歯も前へ動こうとするものです。特に横向きにに生えた親知らずの場合、前の歯を押す作用が強いと考えられ、一度前歯の並びがずれてくると日々後ろから押されることで、ズレが大きくなっていきます。これは、上下の歯の噛み合わせを悪くするばかりでなく、審美性や顎機能障害になることもあります。

親知らずの抜歯の流れについて

難しい抜歯の場合は、術前の診査、診断が重要になります。基本的には、初診の日は診査、診断に当て、その次の回の予約をしていただき、抜歯を行います。初診の段階で腫れているようなら、薬で腫れを抑えてから抜歯します。痛みに敏感な患者さんや麻酔が効きにくい患者さんの場合は手術当日の1時間前にあらかじめ痛み止めを飲んでいただいてから手術を行います。

抜歯治療の流れ
STEP1初診日 診査診断 抜歯の予約
STEP2抜歯当日
STEP3抜歯の次の日に傷口の消毒
STEP4抜歯日に縫合していれば1週間から10日で抜糸
STEP5経過観察。治癒を待って終了

抜歯を決めたら

抜く前にも抜いた後にも、さまざまな問題のある親知らずですが、長い目で見て、メリットとデメリットを十分に考慮して患者さん自身が抜くか抜かないかを判断してください。結論として抜歯を選択したのであれば、次のようなことを抜歯前に心構えしておいてください。

  1. 当日の体調:寝不足や二日酔いでは抜くのは避けたほうがよいでしょう。抜いたあとの回復のスピードは、その日の体調に大きく左右されますので咳程度の風邪ならば問題ありませんが、平熱よりも0.5度以上の熱があれば、歯科医師と相談の上、抜歯に臨んでください。
  2. 抜く際の顎の負担:多かれ少なかれ一番後ろの歯を抜くわけですから、できるだけおきな口を長時間(10~30分)開けて頂くことになりますので長時間口をあけているのがしんどいときや顎が疲れたときは休み休み進めていくこととなります。
  3. 抜歯後の腫れと痛み:正常に生えてる場合や上の親知らずの場合は痛み、腫れの出ることは多くはありません。ただ、下の親知らずで横にはえている場合や半分以上埋まっている場合など骨や歯を削る必要のある場合には、抜歯後に腫れや痛みの出ることがあります。
  4. 口が開きにくくなる:抜歯後に炎症が口を開け閉めする筋肉に波及すると、口が開けにくくなることがあります。炎症がおさまり、抜いた傷が治ってくるとともに、口は開くようになります。

抜歯後の注意事項

抜歯後、お渡ししている注意書きを参考にお読みください。

  1. 抜歯後のお薬などを処方されたら指示通り服用してください。
  2. 抜歯後は必要以上に強くうがいをしないでください。血が止まらなくなります。抜いたところは血の塊ができて、かさぶたのようなものを形成します。あまり強くゆすぐとこのかさぶたが取れて、再び出血を起こします。にじむ様な出血で血の味がして気持ち悪いかもしれませんが、強くゆすがないで下さい。 出血が気になるときは お渡ししたガーゼを20分ぐらい咬んでおくようにしてください。
  3. 抜歯した日のお風呂は浴びる程度に、お酒も控えめに。抜歯後に血の巡りが良くなると、抜いたところに痛みを生じることがあります。そこで、抜歯当日は、長風呂は避けシャワー程度にしてください。同じような理由で、過度の飲酒も避けてください。
  4. 激しい運動は避けて下さい。
    激しい運動により、体力を消耗することは傷を治すために好ましいことではありません。また、運動などにより血液の循環が良くなることで痛みを生じたり、出血することがあります。
  5. 1~2時間程度は麻酔が効いて唇や舌がしびれています。あついものを飲んでやけどをしたり、唇や口の中を噛んだりしないように注意してください。
  6. 傷口を指や舌などでさわらないでください。かさぶたのようなものが取れて出血することがあります。

抜歯をした後のトラブル対応

  1. 出血が止まらない
    抜歯の状況により血が止まりにくいことがあります。この場合は、お渡ししたガーゼかご自宅にあるティッシュを抜歯したところでグッと噛んでおいてください。10~20分すれば血が止まります。唾液に血が混じって血が出続けているように感じるかも知れませんが少量であれば問題ありません。
  2. 麻酔が切れてきたときの痛み
    どうしても麻酔が切れるときに痛みはきます。お薬を早めに飲んでおいていただくことである程度は避けられます。冷やすことで多少楽にはなりますが、氷水で冷やすと術後の腫れがひきにくくなりますので、水道水くらいの水で冷やすようにしてください。しばらく冷やしたら、冷やしすぎないように少し時間をおいて下さい。以後、同様にしばらく冷やしたら休めるといった行為を繰り返し行ってください。
  3. 口が開けにくくなる
    抜いた傷が元で炎症が周囲に波及することで、顎の開け閉めがつらくなるだけでなく、一定以上口が開かなく事もあります。これは、傷の回復と共に元に戻りますから心配は要りません。
  4. つばを飲み込む時にのどが痛む
    下の親知らずを抜く際に舌側の骨を削ったり触ることで、炎症がノドの内側に波及し、物を飲み込むごとに痛みを生じることがまれにあります。これも、傷の回復と共にもに戻りますから心配は要りません。
  5. 抜いたあとに腫れがひどくなってきた
    抜いたあと、1~3日が腫れのピークとなります。一般的には抜いた後には必ず腫れると思って下さい。腫れるというは、体の刺激に対する正常な反応ですから、無理に抑える必要もありません。どうしてもというときは冷水で冷やしたタオルで患部を冷やしてもらえば痛みは和らぎます。1週間~10日のうちに消退していきます。
  6. 内出血がでてきた
    抜いた周囲に地の塊が凝集することでない出血のように、頬の表面に色がついてくることがあります。内出血は、部位と色が徐々に変わり、1週間~10日ほどで消退します。
  7. 前の歯が一時的に動く、しみる
    親知らずを抜くと親知らずによって支えられてた動揺していた前の歯が一時的に動くようになります。まれに抜歯時に前の歯が脱臼をして動揺することもあります。また、親知らずのあった部分の歯肉が退縮することで、前の歯の根の部分が一時的に露出し、いわゆる知覚過敏の症状を呈してしみるようになることがあります。この症状も傷の回復と共に消退していきます。
  8. 何日かして抜いた場所がズキズキ痛い
    抜歯後、だんだん症状が軽くなっていたのに、何日かして抜いた場所がズキズキ痛みだす時はドライソケットの可能性があります。通常抜歯した穴には血餅と呼ばれる血の固まりで満たされ、それが肉になり穴がふさがっていくのですが、その血の塊がごっそり取れてしまい、骨がむき出しになり痛みが出る状態がドライソケットです。抜歯後のトラブルのなかでは最も予測が困難です。抗生物質、消炎鎮痛剤などを投与し、キズの治りを待ちます。
  9. 唇がしびれたり鈍い感じや感覚の違和感がある。
    下の親知らずを抜いた場合、親知らずの根が下あごの神経(下歯槽神経)に近いため、術後、抜いた側の口唇の感覚が鈍くなることがまれにあります。しかし、通常は時間ととも軽減していき、感覚は元に戻ります。治りを早くするためにお薬をお出しします。